プロダクション・ノート

映画『風切羽〜かざきりば〜』6月22日(土)より全国ロードショー

その1 超低予算で短編自主映画を撮るつもりが・・・

2011年2月。小澤監督が雑誌「月間ビデオサロン」の企画で知り合ったカメラマンの藍河氏に「一緒に短編映画を作りませんか?」と企画を持ちかけたのが「風切羽」の生まれるきっかけだった。だが当時の監督が制作費として出せるのは、ウン十万円。その範疇で撮影可能な、小規模な短編映画にする予定でメインキャストを募り、オーディションを開始。今回の主演の二人、秋月三佳と戸塚純貴もそんな心もとない企画にも関わらずオーディション会場に足を運んでくれたのだった。
たくさんの応募者の中から誰に演じてもらおう、と頭を悩ませている時に監督が偶然再会したのが、エグゼグティブ・プロデューサーの大勝ミサだった。
大勝氏とは、以前に小澤監督もディレクターで参加したオムニバス映画「最高でダメな男 築地編」で知り合い、それ以来の再会となった。小澤監督に「今こんな短編映画を企画中なのですよ」という話を聞いた大勝氏はその企画に興味を持ち、「じゃあ一緒にやりましょう」ということになり・・・。それから大勝氏は短期間でわずかながら製作費を集めることに成功し、小澤監督は撮影日数やキャスト、スタッフを増やすことが出来た。

2012年4月末に撮影した「風切羽」は7月に48分の尺で完成した。キャスト・スタッフを招いて開かれた試写会は好評のうちに終わったが、48分という尺では劇場公開は難しい。小澤監督としてはこの作品で海外の映画祭などに出品できれば良いと思っていたのだが、やはりこの作品を劇場で流したい、という大勝氏の思いに監督が賛同し、では48分バージョンでは描けなかった、サヤコが児童養護施設を逃げ出すまでの経緯を物語の前半に追加して長編映画にしましょう、ということになり「風切羽」長編化計画がスタート。

そして同年9月末に追加部分を撮影、再編集して今回の長編映画「風切羽」が完成した。

〜続く〜